田んぼや畑の役割は、私たちの食べ物を生産してくれることだけではありません。
豊かな生態系を育んでくれますし、田んぼダムといった自然のダムの機能もありますし、美しい自然は私たちの心を癒してくれます。
(↑上南活動組織の農地に、雨上がりに虹がかかりました。)
我があさぎり町は、自然がいっぱいで、農業が盛んな地域です。
農林水産省が行っている事業の「多面的機能支払交付金」を活用し、「あさぎり町広域協定」という団体を農家さんが中心となり結成し、田んぼや畑を守るための活動を行っています。
【活動① 豊かな生態系を守る 】
田畑は、カエルやトンボなどの日本古来から生息しているいきものの住処や餌場であり、そこには豊かな生態系が育まれています。
田舎で生活していると、春にはモシロチョウやアゲハ蝶などのちょうちょやミツバチが飛び回り、梅雨にはアマガエルやウシガエルの大合唱、夏にはアブラゼミやミンミンゼミやヒグラシで賑やかで、秋にはものすごい数のトンボが農道を飛び回り、冬には飛来して生きたシラサギなどの鳥が田畑で餌をついばみながら田を起こしているトラクターの後ろをついて回る、などののどかな光景を当たり前に目にします。
都会に住んでいるとカエルやトンボを見ることが無い、という声を聞いた時には驚きました。
【今井活動組織】生物の生息状況の把握
あさぎり町の旧上村の今井地区には、あさぎり町内ではここにしか生えていない「コガマ」という生物が生息しています。地区内では「ガマ」や「ガモウ」などと呼ばれています。
今井活動組織では、このコガマを保全するために、地域住民で定期的に周囲の草刈り作業を行っています。
【深田東地域資源保全隊】希少種の監視
あさぎり町の旧深田村ため池には、熊本県内でも珍しい「オグラコウホネ」というハスの仲間が生息しています。
深田東地域資源保全隊では、このオグラコウホネを守るために、乱獲などをされていないか、確認を行っています。
【上南活動組織】【上代活動組織】【農地・水・平和活動組織】外来種の駆除
古来からの日本の生態系を脅かすのが、他の地域や国外から入ってい来た外来種です。
あさぎり町内でも各地で、外来種「スクリミンゴガイ」(通称「ジャンボタニシ」)の被害が出ています。
上の写真のように、稲や水路の側壁に、赤い卵を産み付けます。
上南活動組織と上代活動組織では、薬剤を用いて、このジャンボタニシを駆除しています。
(散布時)
(薬剤散布により、駆除されたジャンボタニシ)
農地・水・平和活動組織では、厳寒期に田んぼを起こすことで、地中に潜っていたジャンボタニシの幼虫や卵を寒さにさらして駆除します。
【活動 ②水質保全】
農業は、降雨、河川流出、蒸発等自然の水循環の中で行われるため、ほ場やため池、水路等の農業用施設で水質を保全したり向上させたりする活動は、重要な活動です。この活動は、地域の水質を、農用地、農業用水等の資源によって向上させることを目的に実施するものです。
【深田東地域資源保全隊】【農地・水・平和活動組織】【幸野溝地区地域資源保全隊】非かんがい期における通水
冬場、田んぼに水を使わない時期に、水路に水が流れないと、泥などが堆積し、場合によっては悪臭が発生したりします。そのようなことを防止するために、深田東地域資源保全隊と農地・水・平和活動組織と幸野溝地区地域資源保全隊では、冬場にも水路に通水します。
【活動 ③農村環境の保全】
農村環境を保全することにより、美しい自然の景観を保ち、人々の心を和ませ癒します。
【上南活動組織】【今井活動組織】【上代活動組織】【農地・水・平和活動組織】【あらた活動組織】農地や農道等への植栽
農地や農道路肩の花壇などに植栽することにより、開花時に通行する人の心を和ませ、環境への関心を高めます。
【上南活動組織】【今井活動組織】【上地域活動組織】【あらた活動組織】【農地・水・平和活動組織】【瀬ノ上活動組織】【須恵深田畑総地帯活動組織】農道等のごみ拾い
農地周りや農道のごみ拾いを行い、農村環境の保全に努めます。
活動は主に、子ども会や自治会にお願いします。
ごみ拾い活動を行うことにより、環境への意識が高まり、ポイ捨てが少なくなったという声があります。
【深田東地域資源保全隊】農業用水の地域用水としての利用・管理
深田東地域資源保全隊に流れている木上溝(きのえみぞ)という用水路は、農業用水としてだけではなく、昔から地域の生活用水としても利用されてきました。
この溝を守るために、水路の定期的な清掃を行うことは、この地域の行事として継続されています。
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